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芭蕉布

芭蕉布は、まるでとんぼの羽のように透ける薄さと、張りのあるさらりとした肌触りが特徴の沖縄の伝統的な織物で、「幻の布」とも呼ばれています。

その歴史は古く、12〜13世紀から織られていたとされています。琉球王国時代からは、その着物が貴重な貢ぎ物として重宝され、通気性の良い生地は高温多湿の沖縄での生活を快適にし、庶民の日常着から晴れ着まで幅広く用いられてきました。民藝運動の父、柳宗悦もその美しさに魅せられ、普段着としての日常的存在を称賛しました。

第二次世界大戦後、一時衰退したものの、染織家の外村吉之介氏に師事し、民藝や染織を学んだ平良敏子さんの努力によって、沖縄が日本に復帰した1972年には芭蕉布が県の無形文化財に指定され、1974年には「喜如嘉の芭蕉布」として国の重要無形文化財や経済産業大臣指定の伝統的工芸品に認定されました。さらに2000年には、平良敏子さん自身が国の重要無形文化財「芭蕉布」の保持者として認定されました。

芭蕉布は、沖縄本島北部の大宜味村の喜如嘉を中心に、バナナ(実芭蕉)の仲間である糸芭蕉の繊維を用いて作られています。糸芭蕉の栽培から生地の仕上げまでを地元で手作業で行う稀有な工芸品です。

糸芭蕉は、成長に約3年を要し、人の背丈を超える大きさになって初めて採取可能です。外側の部分は暖簾や座布団などに、内側の真っ白で柔らかな繊維は着物に使用され、さらに糸の質感に応じて経糸と緯糸に分けられます。そのため、1本の糸芭蕉から得られる繊維の量はわずか20グラム程度で、着尺1反分には約200本の原木が必要です。十分な糸を確保するためには、手間を惜しまない畑の管理が欠かせません。

また、芭蕉は乾燥に弱く、製作に適した季節は梅雨時とされ、1反を織り上げるのに約2ヶ月かかります。

制作には以下の23の工程があります:

1.糸芭蕉の栽培
2.苧剥ぎ
3.苧炊き
4.水洗い
5.苧引き
6.乾燥
7.チング巻き
8.苧績み
9.緯管巻き
10.撚り掛け
11.整経
12.煮綛
13.絣糸の組み合わせ
14.絣結び
15.染色
16.絣解き
17.糸繰り
18.仮筬通し
19.巻き取り
20.綜絖通し
21.筬通し
22.織り
23.反物の洗濯(最終仕上げ)

これらの工程のほとんどは糸づくりに関わるもので、織りの工程は全体の約1%に過ぎません。糸づくりにかけられる手間の多さが伺えます。

糸芭蕉を育てる畑仕事から始まり、葉柄を剥ぎ、繊維を取り出し、丁寧に糸を作り、撚りをかけ、絣を結び、染め、織り、仕上げるまでのすべての手仕事は、自然と向き合って生まれる美しい布に、人を癒す力を宿しています。

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