八重山上布は、沖縄県八重山郡周辺で作られる織物です。苧麻の手紡ぎ糸を用いて織られ、古くは琉球王朝時代には貢布としても用いられてきました。この織物は沖縄地方で唯一、「刷込捺染技法」が用いられ、焦げ茶色の絣模様が浮かび上がる清涼感溢れる白地の布が特徴です。主原料は苧麻から作られる繊維で、染料にはヤマイモ科の「紅露」(クール)が用いられます。織り上げた後は、八重山の強い日差しで一週間から十日程度日晒しを行い、深い色合いに変化させます。その後、「海晒し」を行い、色止めや余分な染料を落とし、地色が白く晒され絣模様がより鮮やかになります。八重山上布の特徴は、苧麻手紡ぎ糸のさらっとした風合いと風通しが良いこと、白地に浮かび上がる大らかな絣模様です。一反の着尺を織るための糸を作るには、経糸が約50日、緯糸が約40日かかるため、非常に根気のいる作業です。近年では、ラミー糸(手紡ぎではない苧麻の糸)を経糸に使用したものも増えています。
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