福田喜重さんは、1932年9月26日に京都市で生まれました。福田喜重さんは日本の刺繡家であり、刺繡の分野で唯一の人間国宝です。彼は京都市立第一工業学校(現在の京都市立京都工学院高等学校)を卒業し、父である刺繡家福田喜三郎氏から厳しい指導を受けて伝統的な技法を習得しました。 福田喜重さんの刺繡作品は主に和服に用いられ、一越縮緬や綸子地などの生地を使用しています。彼は自然物を流動的に表現し、微妙なグラデーションや細かい作業によって繊細で流れるような曲線を色糸で描いています。そのため、彼の作品は平坦ではなく、奥行きを感じさせる絵柄となっています。 1976年には日本工芸会日本伝統工芸展に初入選し、以降も受賞を重ねてきました。彼は刺繡業福田商店を父から引き継ぎ、1970年には福田工芸染繡研究所に社名変更し、1991年には株式会社福田喜を設立して代表取締役を務めました。 福田喜重さんは一枚の布に宿すために一切の妥協を許さず、生地の選択から意匠、染、縫、箔の全行程を一貫して手掛けています。彼の刺繡は一針一針で、一瞬一瞬の時を刺し込む美しさを持っています。 また、福田喜重さんが「水蒸気文化」と呼ぶ、湿気があるからこその霞や靄で朝焼けや夕焼けが楽しめる日本の景色。彼の独特の「染足の長い暈し」にはその情景と情緒が表現されています。
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