細見巧氏は、1952年に兵庫県で生まれ、京都市立芸術大学を卒業後、1993年に日本工芸会の正会員に認定されました。彼は、父であり人間国宝である細見華岳氏に師事し、綴織の技法をすべて学びました。華岳氏は2012年に89歳で亡くなり、その後、巧氏が細見綴織工房を継ぎました。巧氏は、父に劣らぬ精緻で美しい綴織の作品を生み出しています。 「綴織」とは、正式には「西陣爪掻本綴織」と呼ばれる技法で、手足のみで操作する織機を使用し、緯糸を手作業で織り込むことによって、繊細で複雑な柄を表現します。特に、この技法は「ノコギリの歯のように」刻まれた爪で緯糸を一本ずつ掻き寄せる手法が特徴で、織り手の感性によって織り込まれた色と柄は、絵画のように美しいグラデーションやぼかしを表現します。これにより、糸の色数には機械的な制限がなく、極めて精緻な模様を織り上げることができます。 巧氏は、数々の展覧会に出品し、数多くの賞を受賞してきました。1997年には日本伝統工芸染織展で東京都教育委員会賞を受賞し、1999年には文化庁長官賞を獲得。2001年には北國新聞社賞を受賞するなど、評価は高まり続けています。また、銀座和光やイギリス・ロンドンでも個展を開き、世界的にその技術を披露しました。さらに、2013年には東京国立近代美術館工芸館で開催された「工芸からKOGEIへ」展に出品し、2015年には日本伝統工芸展で日本工芸会奨励賞を受賞するなど、現在も活躍の場を広げています。 現在も、日本工芸会正会員、京都工芸美術作家協会会員として、精力的に作品を制作し続けている細見巧氏は、綴織の技術を次世代に伝える重要な存在となっています。 1952年 兵庫県に生まれる 1977年 京都市立芸術大学卒業 1993年 日本工芸会正会員に認定される 1997年 日本伝統工芸染織展にて東京都教育委員会賞を受賞 1999年 日本伝統工芸染織展にて文化庁長官賞を受賞 2001年 日本伝統工芸染織展にて北國新聞社賞を受賞 銀座和光にて「うすはたの会」展出品 2005年 イギリスロンドンにて「うすはたの会」出品 2008年 日本伝統工芸近畿展にて日本伝統工芸近畿賞を受賞 2013年 「工芸からKOGEIへ」展出品(東京国立近代美術館工芸館) 2015年 日本伝統工芸展 日本工芸会奨励賞受賞 2023年 京都工芸美術作家協会展 奨励賞受賞 現在 日本工芸会正会員/京都工芸美術作家協会会員
画像の着物・帯は弊社で過去に買取したものです。
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