菊池洋守さんは、東京都八丈島に工房を構え、「八丈織」を手掛けた染織作家です。菊池洋守さんは独自の感性と卓越した織技で黄八丈に新たな世界を切り開きました。1940年に東京都八丈島で生まれ、中学卒業後、染織家の故・柳悦博氏に師事し、内弟子として7年間の修業を積んだ後、1962年に独立し、故郷の八丈島に工房を開設しました。悦博氏の縁から白洲正子氏とも交流があり、白洲さんの店「こうげい」でも彼の作品が取り扱われ、白洲氏ご自身も好んで菊池洋守さんの作品をお召しになっていたことが知られています。 八丈織は、綾織特有の文様が生地に淡く浮かび、品良い光の陰影が極上の美しさを見せます。菊池洋守さんの手がける「八丈織」は、黄八丈の伝統的な織技法(綾織)をベースに、すっきりとしたシンプルな配色が中心で、現代の街並みに馴染み、着る方を引き立てる色と織、非常に軽やかな風合いとなっています。菊池洋守さんの作品は、シンプルな色無地でも「八丈織」ならではの上質な艶と光沢感が美しい華やぎをもたらします。また、コブナグサ・タブノキ・椎と泥染めによる三色からなる黄八丈とは異なり、菊池さんの織りは洗練された淡彩やシックなニュアンスカラーが美しく、従来の黄八丈にはない色を出すことができます。 精緻な綾織や吉野織によって表現された陰影豊かな景色は、絹糸の光沢が最大限に活かされており、他の紬織とは一線を画すエレガントな上質感となります。
画像の着物・帯は弊社で過去に買取したものです。
菊池洋守の着物・帯の高価買取は是非、京都高級呉服買取センターにご相談下さい。