染色家であり、大彦染繍研究所の所長である野口真造氏は、江戸時代の刺繍の名家である大彦の二代目にあたります。明治25年2月11日に東京の日本橋で呉服商野口彦兵衛氏の次男として生まれました。中学卒業後、父親である彦兵衛氏の教えを受け、染色の考案や製作などの仕事に専念しました。 自らの仕事を「利益追求」ではなく、「技術の育成」に捧げ、友禅職人の育成に力を注ぎました。それは、大彦染色工場を大彦染繍美術研究所に改装し、自宅に職人の養成所を設けることから始まりました。彼は「下絵」「糊置き」「色挿し」「刺繍」といった友禅の仕事に不可欠な技術を、自らの手で育てることを始めました。 野口氏は古代衣裳の染色研究及びその復元に取り組み、昭和3年にこれを初めて華族会館で発表しました。その後、染色工芸の創作に従事し、昭和26年から10年間は無形文化財審議会の委員を務め、昭和42年には勲四等瑞宝章を受章しました。 また、戸板女子短大の名誉教授や日本染色美術協会の会長、社団法人日本きもの文化協会の会長、日本風俗史学会の顧問、日本工芸会の監事などを歴任しました。皇室の慶事の調整や大劇場の緞帳や大パネルなども手がけ、友禅染と日本刺繍を駆使して独自の美術的作品を数多く生み出しました。
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