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与那嶺貞

与那嶺貞氏は1909年に沖縄県読谷村で生まれ、染織と着物作家として活躍しました。与那嶺貞氏は首里女子実業学校で染織技術を学び、その後読谷に戻りながら女子補修学校の教師として働きながら織物の制作を続けました。1964年、村の生活改良普及員として勤務していた際、村長から依頼を受け、ほとんど途絶えかかっていた「読谷山花織」の復元に取り組みました。 
「読谷山花織」は琉球王朝時代に栄え、琉球王朝の御用布として織り継がれていましたが、明治期の激しい時代の変化に伴い衰退し、戦争をはさんで一時的に途絶えていました。与那嶺貞氏は昭和30年代に周囲からの熱い希望に応え、土地の古老から聞き取り調査を行い、わずかに残っていた祭り衣裳などを手がかりに、試行錯誤と熱心な研究を重ね、ついに「読谷山花織」の技法と文様を復元しました。与那嶺貞氏は糸や道具類の調達から高機の改良にも努め、伝統的な読谷山花織の技法を高度に体得しました。さらに木綿地だけでなく、絹地による制作技法の改良にも大きく貢献しました。 
彼女は地域の産業として「読谷山花織」が二度と途絶えないように後継者の育成や普及にも尽力し、1975年に沖縄県指定無形文化財「読谷山花織」の保持者に認定され、1999年には重要無形文化財「読谷山花織」の保持者として認定されました。 
「読谷山花織」は花が咲いたような美しい表現を織で実現し、沖縄の染織品の中でも印象的です。与那嶺貞氏は伝統を守りつつも現代的な感覚を盛り込んだ作風で多くの着物ファンを魅了し続けています。 
1909年: 沖縄県読谷村に生まれる 1964年: 花織の復興・研究・制作に取り組む 1975年: 沖縄県指定無形文化財保持者「読谷山花織」認定 
1977年: 第24回日本伝統工芸展初入選 1979年: 第14回西部工芸展 朝日新聞社金賞受賞 1982年: 勲六等

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