伊砂久二雄氏は1931年に京都府で生まれ、京都市立美術大学を卒業後、千切屋図案室で勤務しました。その後、型絵染の第一人者で人間国宝に認定された稲垣稔次郎氏に師事し、その技術を受け継ぎながら多様な作品を制作してきました。 彼は代々続く友禅染めの糊置き職人として、日本に古くから伝わる「型絵染」技法を用いて数多くの文様や図案を生み出しています。型絵染は、彫り抜いた渋型紙と防染糊を使い、布や和紙に染める伝統的な技法です。和紙と柿渋で作った型紙を刀で彫ることで、シャープな線と明快な形が表現され、染めの過程で温かみのある柔らかさも生まれます。 伊砂久氏が設立した伊砂文様研究所では、昭和20年代から型絵染のための数々の文様を創作しており、伝統技法を基にしながらも斬新で繊細なモダン文様や、心象的な対象物を表現した作品を多数展開しています。保存されている型紙は3,000型を超え、その魅力は50年以上経った今でも新しい発見を提供し続けています。 型絵染の伝統を次世代に残すため、彼はさまざまな分野での文様の活用を進めています。 1955年: 京都市立美術大学染色科卒業 1957年: 第12回新匠賞受賞(朝日新人展招待出品) 1963年: 京都国立近代美術館「工芸における伝統と芸術展」招待出品 1964年: 第1回伝統工芸日本染色展で東京都教育委員会賞受賞 1970年: 第25回新匠会展で富本賞受賞 1974年: カナダ・アルバーター州政府の企画で巡回個人展 1976年: ブラジル・サンパウロにて個人展開催 1982年: 京都府立総合資料館にて個人展開催 1986年: 第41回新匠工芸展で稲垣賞受賞 1990年: 近畿郵政局依頼の「ふるさと切手」原画制作 1993年: 日本工芸会から伝統工芸の保存発展に尽力したとして表彰 伊砂久氏は型絵染の作品制作にとどまらず、着物や帯のデザイン、商品デザイン、企業カレンダーのデザイン、染色教室や墨絵教室の主宰など、多方面で活動を展開しています。
画像の着物・帯は弊社で過去に買取したものです。
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