吉岡幸雄氏は、日本の染色界で第一人者として知られている染織史家であり、江戸時代から続く染屋「染司よしおか」の五代目当主を務めました。彼は1946年に京都市伏見区で生まれ、美術工芸に対する興味と京都の伝統に対する関心から、1973年に美術工芸図書出版「紫紅社」を設立しました。 1988年には生家の「染司よしおか」の五代目当主となり、染師福田伝士氏と共に化学染料を一切使用せず、伝統的な植物染による日本の伝統色を再現する取り組みを行いました。毎年、東大寺お水取りの椿の造り花の紅花染和紙など、古社寺の伝統的な仕事にも取り組んでいました。 吉岡幸雄氏は古来の文献や伝世の染織遺品を研究し、失われた古代の染色技術を復活させるために実験を重ねました。東大寺・正倉院の宝物の復元や源氏物語に登場する全368色の再現・復元など、様々なプロジェクトで日本古来の伝統的な色彩を現代に蘇らせました。 吉岡幸雄氏の作品は天然染料を用いており、「染司よしおか」の染めは草樹花実に宿る色を糸や布に染める植物染や、貝による帝王紫の染色を専門としています。雅やかで美しい彩りは、ひとつの色の中にも悠久の歴史と文化を感じさせます。 1946年 京都市に生まれる。 1971年 早稲田大学第一文学部卒業。 1971年 光村推古書院にアルバイトとして勤務。 父、常雄の口利きによる。 1973年 美術図書出版「紫紅社」設立。 1988年 生家「染司よしおか」の五代目当主を継ぐ。染師福田伝士氏と二人三脚で日本の伝統色の再現に取り組む 1991年 奈良薬師寺三蔵院にかかげる幡五旗を多色夾纈によって制作し、きもの文化賞を受賞 (財団法人民族衣裳文化普及協会)。 1992年 薬師寺「玄奘三蔵会大祭」での伎楽装束四十五領を制作。 1993年 奈良東大寺の伎楽装束四十領を制作。天平の時代の色彩をすべて植物染料によって再現して話題となる。 2001年 獅子狩文錦の復元制作に参加。 2002年 鹿草木夾纈屏風の復元制作に参加。 2008年 グッドデザイン賞受賞(インディペンデントディレクターとして参画) - 成田空港到着ロビーのアートディレクターをつとめる (グッドデザイン賞受賞)。また、源氏物語千年紀にあたり、源氏物語の色五十四帖を再現。 2009年 京都府文化賞功労賞受賞。 2010年 日本古来の染色法による古代色の復元、東大寺等の伝統行事、国文学、国宝修復など幅広い分野への貢献が認められ、第58回菊池寛賞受賞(日本文学振興会主催)。 2012年 放送文化の向上に功績があった人物に贈られる、第63回 (平成23年度) NHK放送文化賞受賞。 2015年 銀座もとじ和染35周年記念展出品 2016年 英国ヴィクトリア&アルバート博物館からの依頼で制作した永久保存用「植物染めのシルク」が同博物館に収蔵される。 2016年 銀座もとじ和染 個展開催 2019年 銀座もとじ和染 個展開催 2019年9月30日 死去。73歳没。
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