首里織は、琉球王朝時代から伝わる沖縄の伝統的な織物であり、首里の城下町として栄えた場所で格式高い優雅な織物として昇華されています。この織物は女流階級の氏族の女性たちによって受け継がれ、家々で門外不出の織物として大切に守られていました。 特に宮平初子さんが制作したものは、琉球王朝時代の王妃や王女が夏用の衣類として着ていた「花倉織」です。花倉織は、トンボの羽やセミの抜け殻と表現されるほど生地が薄く透き通り、軽くて美しい着物です。 宮平初子さんは、1922年に沖縄県那覇市首里で生まれました。彼女の父は比嘉朝光さん、母は静子さんで、宮平初子さんは長女として育ちました。 1939年、宮平初子さんは16歳で沖縄県立女子工芸学校を卒業しました。この年、日本民芸協会の一行が沖縄の工芸調査のために訪れ、学校の推薦により柳宗悦館長に伴われて上京し、日本民芸館で研修を受けました。柳悦孝染織研究所では植物染色と紋織りの指導を受けました。 1969年には第43回国展国画賞を受賞し、その才能を証明しました。1970年には「宮平織物工房」を首里に開設し、首里織の技術継承と技術者の育成に尽力しました。1974年には沖縄県指定無形文化財「本場首里の織物」の保持者に認定され、後継者育成のために講習会などを開催しました。 そして、1998年には県内から3人目、女性初の重要無形文化財「首里の織物」の保持者(人間国宝)に認定され、宮平初子さんは誰もが認める偉大な織物作家としての名声を確立しました。 宮平初子さんの作品は、他に類を見ない色やデザインが特徴です。彼女は沖縄の自然から抽出した藍、赤、黄、緑などの色を大胆に使い、他の着物作品ではあまり見かけない組み合わせの色味を使ってグラデーションを織り込んでいます。また、幾何学模様を多く用いたエスニック調のデザインも特徴と言えます。 宮平初子さんは自身の感性を最大限に活かし、自由な発想で独創的な着物を次々と生み出しています。複数の模様が段違いに表現された彼女の作品は幅広い世代の着物愛好家の心を掴んで離しません。
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