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小宮康孝

小宮康孝さんは1925年11月12日に東京・浅草で生まれました。小宮康孝さんの父、康助さんは江戸小紋の初代重要無形文化財保持者(人間国宝)でした。小学校を卒業した後、小宮康孝さんは父のもとで厳しい修行を始めました。 
1942年に関東工科学校電機科に入学しました。昼は江戸小紋の板場で働き、夜は学業に励んでいました。1950年には使用していた合成染料をさらに質の高いものに切り替え始め、1952年には父が「助成の措置を講ずべき無形文化財」として選定されました。この選定の際に「江戸小紋」という言葉が生まれました。 
3年後、江戸小紋の重要無形文化財保持者として認定された父のもとで研鑽を積みました。1960年には第7回日本伝統工芸展で「江戸小紋 
蔦」が初入選し、以後、毎年出品するようになりました。1961年には父康助氏が亡くなり、1964年には第11回日本伝統工芸展で「江戸小紋着物 
十絣」が奨励賞を受賞しました。 
1960年代後半からは和紙製作者と協力して型地紙の改良を始め、「よい型彫師がいなければ、江戸小紋は滅びる運命だ」という父の言葉を胸に、型彫師の喜田寅蔵(1894-1977)などと連携しました。1978年には父に続いて江戸小紋の重要無形文化財保持者に認定されましたが、認定後も江戸小紋の制作と普及に尽力しました。1985年には東京都文化賞、1988年には紫綬褒章を受章しています。 
康孝氏は戦後の混乱を乗り越え、父から受け継いだ江戸小紋の技術を発展させ、我が国を代表する染色家となりました。2018年には息子の康正氏も江戸小紋の分野で重要無形文化財保持者に認定され、孫も江戸小紋の仕事を手掛けており、江戸小紋の技術は脈々と受け継がれています。 
後継者の育成にも熱心であり、日本の着物のさらなる発展に寄与した功績もあります。

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