山口伊太郎氏は、西陣の織匠として知られ、西陣の紋織物制作の第一人者でした。山口伊太郎氏は明治34年(1901年)に京都市・西陣で生まれ、18歳で西陣高級帯地製造・卸売業を創業しました。後に50代で紫紘株式会社を設立し、唯一無二の感性と技術を活かして、独創的な帯を数多く生み出しました。また、西陣織物同業協同組合理事長や西陣織物館理事長なども務めました。 山口氏の生涯は織物とともにありました。彼は「誰にも出来ないような織物の仕事がしたい。」という強い思いから、70歳で家業から退き、新たな挑戦として織物による「源氏物語絵巻」の制作を始めました。徳川美術館や五島美術館所蔵の国宝「源氏物語絵巻」を参考にしながら、織物による絵画表現の可能性を追求しました。彼は斬新な技法を生み出し、37年にわたって研究を続けました。 2001年、山口伊太郎氏は全4巻中3巻までを完成させましたが、最終巻の織り上がる前に2007年6月に105歳でこの世を去りました。翌年の3月3日、彼の遺志を継ぐ職人たちによって絵巻が完成しました。山口氏の生涯と、「源氏物語錦織絵巻」を含む多くの作品は、今も日本の織物業界に大きな影響を与え続けています。
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