田中林次

田中林次氏は、かつての人間国宝でした。1943年に、結城織物技術の伝承者として、重要無形文化財保持者に選ばれました。しかし、現在では国の文化財保護法の改正により、以前の認定は解除されています。それに代わり、1956年には本城結城紬が国の重要無形文化財として総合指定されました。
田中林次氏は絣くくり部門の技術保持者代表でもあります。絣くくりとは、手紡ぎの糸の束に染料が染み込まないように模様の絣部分をあらかじめ糸でくくる技法です。真綿から手で紡がれた糸を地機で折り上げるまでの手仕事によって、温もりに満ちた作品が生み出されます。