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大羊居

江戸時代の安永年間に創業された呉服太物業「大黒屋野口幸吉・大幸」を祖とし、個性的なスタイルを確立し、東京友禅の名を高めた江戸染繍の名門、「大羊居」。 
「大幸」に婿養子として入った野口彦兵衛は、「大彦」を独立して創業し、その息子である野口巧造は大正15年に着物の制作会社を立ち上げました。 
野口彦兵衛は、東京で独自の染物を作りたいという思いから、京染とは異なる意匠を考案し、手描き友禅による裾模様を生み出しました。また、友禅染めと刺繍を組み合わせた独創的な着物を作り出し、「大彦染」と呼ばれる模様染色の一大地を築きました。野口彦兵衛の長男が野口功造、次男が野口眞造です。 
1925年、関東大震災後、彦兵衛が亡くなり、功造は「大彦」を弟の眞造に任せ、自らは本家「大幸」の名を残すために「大羊居」を立ち上げました。 
「東京友禅」は加賀友禅や京友禅と並ぶ存在となり、宮内庁も御用達となりました。「大羊居」は古典的なモチーフの他に、外国の風物や自然から構想を得た大胆で個性的なデザインも多く、その存在感のある刺繍や鮮やかな配色で多くの着物ファンを魅了しています。 
現在、「大羊居」は日本だけでなく、海外からも高い評価を受けています。初代功造は、新しい道を開拓することに喜びを感じ、「何でも着物の柄になる」という自由な発想で作品を創り上げました。この精神をモットーに、「大羊居」は今も専属の職人を要しながら、美しい模様デザインや染めと刺繍の技術を活かした作品を創り続けています。

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