兵庫県と着物

兵庫県の人口は約540万人を越えています。着物を通して和文化の豊かさを発信されています神戸を拠点した老舗呉服店やレンタル店も多くあります。
神戸市は、豊かな自然と洗練された都市の風景が交錯する魅力的な地域です。港町は、歴史的な異人館街や美しい海岸線、神戸牛をはじめとした豊かなグルメスポットといった、多くの観光名所で知られています。また、神戸は美しい夜景や四季折々の風情も楽しめる場所としても人気があります。兵庫県の着物というと「丹波布」や「丹波木綿」といった着物素材が有名です

・兵庫県の代表的な着物
「丹波木綿」

丹波木綿は、兵庫県篠山市で織られている織物です。約300年前の江戸時代(1710年頃)から存在しており、地元でとれた材料を使用して作られていました。丹波木綿は藍や栗などの草木で染めおり、絹糸は一切使われていません。 原糸からすべて手作業で、ひとつひとつ丁寧に作られた丹波木綿は主に衣服に用いられていました。1973年（昭和48年）頃に再び丹波木綿を復活させようと8人という少ない人数で、昔ながらの手織り木綿を復活させ1996年には兵庫県伝統的工芸品の認定を受けました。


「丹波布」

丹波布は兵庫県丹波市青垣町で織られてる江戸時代から受け継がれている織物です。綿から糸を紡ぎ草木で染められ、手織りで織られています。丹波布は本来、「縞貫・佐治木綿」と呼ばれていたそうですが、柳壮悦が紹介したことにより丹波布と呼ばれるようになったそうです。大正時代に一度は衰退してしまいましたが昭和に入り復興運動があり、伝統的な技法を守りながら復活を遂げました。藍と茶を基本色として使われているため、とても落ち着いた色合いになっています。


・兵庫県を代表する作家や着物と関わりの深い著名人

「細見華岳」

細見華岳は兵庫県出身の綴織りで唯一の重要無形文化財保持者に認定された人物です。京都西陣織屋の波多野諦観の下で様々な技法を学びました。しかし、21歳の時に過酷な兵役の日々を送り日本に無事生還した後、綴織りに生涯を注ぎました。喜多川平朗や森口華弘にも指導を受け昭和38年の第10回日本伝統工芸展初入選を機に沢山の賞を受賞、平成4年に京都府指定無形文化財保持者認定されました。 細見華岳の作品の特徴は、ギザギザに刻んだ爪先で、糸を一本ずつ掻き寄せて模様を織っていく「爪掻き綴織り」という技法を用いています。そのため、1日に1㎝しか織れないそうです。使用色も少なく、とても上品な色合いになっています。

・兵庫県の着物の歴史は？
兵庫県(神戸市・姫路市)の着物の歴史は、江戸時代にさかのぼります。この時期、兵庫県(神戸市・姫路市)は重要な港町として発展し、商業が盛んになりました。特に姫路市では、地元の織物や染色技術が発展し、着物の生産が行われました。 また、明治時代以降、和装の需要が変化する中でも、兵庫県(神戸市・姫路市)の着物文化は継承され、現在でも地域の祭りや行事で着物が重要な役割を果たしています。

・兵庫県の着物文化の特色は？
兵庫県(神戸市・姫路市)の着物文化の特色は、特に「姫路の白無垢」と「播州織」に見られます。姫路の白無垢は、結婚式に用いられる伝統的な着物で、格式高いデザインと美しい白色が特徴です。これは、清らかさや新たな出発を象徴し、地域の結婚式文化に深く根付いています。 また、播州織は、兵庫県播磨町で生産される織物で、色彩豊かで独特の模様が魅力です。

・兵庫県に伝わる伝統的な織物と染色技法は？
兵庫県(神戸市・姫路市)の伝統的織物といえば丹波布が有名です。兵庫県丹波市で織られており、江戸時代末期にはじまり明治末ごろまでは「佐治木綿」と呼ばれ、綿から紡いだ手紡ぎ糸を縦横に用い、屑まゆから採った「つまみ糸」を横糸に交織させるため、通常の木綿布と風合いが異なっています。 藍、栗の皮、こぶな草などの植物染料を用いて染め上げた糸が織りなす縞や格子柄は、素朴な温かさを伝えてくれます。
また、奈良時代より飾磨の褐染として有名だった藍染物は、羽柴秀吉が天正5年（1577）に播磨を平定し、安土城の織田信長に謁するときにも献上されたと伝えられています。江戸時代には、姫路藩が藍製造を藩業として奨励したこともあり、藍染物の生産は大いに栄えました。その後、明治時代に途絶えてしまいましたが、伝統の藍染めに播磨のシンボル姫路城を図柄に取り入れ、昭和44年にしらさぎ染として復活しました。
また、兵庫県出身の細見華岳さんは、ギザギザに刻んだ爪先で、糸を一本ずつ掻き寄せて模様を織っていく「爪掻き綴織り」の技法で唯一の重要無形文化財保持者に認定されました。

・兵庫県の祭りや行事の着物との関わりは？
兵庫県(神戸市・姫路市)の祭りや行事における着物との関わりは、地域の伝統文化を強く反映しています。例えば、姫路の「姫路城まつり」では、参加者が美しい着物を着て行列を作り、城を背景にした華やかなイベントが行われます。この祭りは、地域の歴史や文化を祝う重要な機会となっています。姫路市の「灘のけんか祭り」では、氏子たちが華やかな法被姿で参加し、丹波篠山市の「デカンショ祭」では、女性たちが浴衣を着て踊る光景が印象的です。また、神戸の「神戸まつり」や「流しソーメン祭り」などでも、着物を着た参加者が多く見られ、地域の伝統を体現しています。

・兵庫県の観光や着物体験は？
兵庫県(神戸市・姫路市)では、着物レンタルを通じて観光体験が楽しめます。特に神戸や姫路には多くのレンタルショップがあり、観光名所を着物姿で散策することができます。例えば、姫路城や有馬温泉を訪れる際に、伝統的な着物を着用することで、地域の文化をより深く体感でき、城崎温泉では、浴衣を着て温泉街を散策する文化が定着しています。また、着物を着たままの写真撮影が人気で、思い出に残る特別な体験ができます。さらに、着物を着用したまま参加できる地域の祭りやイベントもあり、観光客が地域の伝統文化に触れる機会が増えています。これにより、兵庫の魅力を存分に楽しむことができます。