京都府と着物

京都府約では人口約240万人を越えています。
京都府と言えば荘厳な寺社のほか、歴史を感じる街並みの数々。いつ訪れても四季折々の風情を楽しめる場所でもあります。丹波の黒豆や万願寺とうがらし、九条ネギなどの京野菜や千枚漬けなども有名です。京都府というと日本の伝統が集う街なだけあり、京都で着物というと京友禅・京小紋をはじめとしたさまざまな種類の美しい伝統着物がございます。
京都府には様々な伝統工芸品や特産品がありますが、その中でも着物買取において、高値での買取りを期待できる着物がありますのでご紹介します。
人間国宝である父森口華弘さんの元で友禅について学ばれた染色家森口邦彦さんや、型絵染の染織家稲垣稔次郎さん、経錦や羅の重要無形文化財に指定されている北村武資さんが京都市出身で人気の作家さんです。
刺繍工芸家、京都市出身の福田喜重さん。2万色以上ある刺繍糸から組み合わせを考え作成しながら、絶妙なグラテーションなど他の人には真似出来ないようなデザインが人気です。刺繍布団初の重要無形文化財保持者にも認定されています。

・京都府の代表的な着物
「京友禅」

京友禅とは、京都府で生産されている伝統的工芸品であり、東京都の東京友禅(江戸友禅)と石川県の加賀友禅と合わせて三大友禅の一つでもあります。京友禅の歴史は江戸時代の奢侈禁止令の影響によって作られたとされています。元禄時代に宮崎友禅斎が確立し、日本三大友禅の中で最も歴史が古いとされています。今までの金糸や色糸を用いた豪華な刺繍を禁止されたため、そのような技法を使わないように工夫されたのが京友禅です。 京友禅には大きく分けて二つの技法があります。型紙と色糊を用いて染める型友禅と、型紙を使わずに刷毛や筆で色を挿して染め上げる手描き友禅があります。金や銀の糸・金箔や使用する色が多くとても色鮮やかで、外側にいくにかけて薄くなっていくぼかしが入っていることが特徴です。美しく絵画的なデザインな京友禅は、振袖や留袖、訪問着などで仕立てられることが多いようです。


「西陣織」

西陣織とは、京都府京都市の北西部で生産される先染の紋織物の総称です。織物文化が日本に運び込まれてきたのは西暦500～600年頃だと言われており、平安時代付近に京都で「織部町」という町ができるほど織物技術が盛んになりました。12種類という多彩な織り方があり、「西陣織で織れないものはない」といわれており1976年に伝統工芸品に指定されました。 西陣の生地は先染をしてから織られているので後染めよりも丈夫かつシワになりにくく、一本の帯に50色以上を使うこともあります。デザインはシンプルなものから雅やかな彩りのものなで、他に類を見ない精妙さは日本を代表する絹織物です。


「京小紋」

京小紋とは、京都府で作られている小紋染を施した織物です。基本となる型紙が作られたのは今から1200年も前で、型紙を用いて繰り返し同じ模様を染める技法が京都友禅よりも前に完成していたようです。20～100枚という多くの型紙を使用し、手描き友禅と同じ雰囲気を出すことができ、多彩で柔らかさもあり華やかさが特徴的です。江戸時代には小紋染めが武士の正装になり庶民の間にも粋なお洒落として小紋が広がり、元は単色だった小紋も時代の流れや変化の影響を受けながら、色遣い・柄が変化していきました。 今でも京小紋は着物地を始めコートや羽織でよく用いられていますが、現在ではハンドバッグなどでも同じ技法が使われているようです。


「丹後縮緬」

丹後縮緬とは、今から約300年以上前の1720年ごろが発祥の京都府の丹後地方で生産されている縮緬です。1ｍに3000回前後の強い撚りをかえた緯糸で織りあげて、糸が収縮したときにできるよじれが表面に細かい凹凸を作りだしています。シワになりにくく柔軟性があり、華やかな光沢もあり発色も素敵です。


「京絞り」

京絞りは、室町時代に発展した京都の伝統的な絞り染め技法です。布を糸で縛ったり、折りたたんで防染し、独特の模様を生み出します。京都では特に精緻な絞り技法が発展し、高度な職人技が求められるようになりました。染め上がった布には立体的な風合いが残り、柔らかくにじむような色合いが美しく表現されます。

・京都府を代表する作家や着物と関わりの深い著名人

「森口邦彦」

森口邦彦とは、京都府京都市出身の染色家です。京都市美術大学を卒業の後パリに渡仏しグラフィックデザインを学び美術学校を卒業、1967年に人間国宝である父森口華弘の元で友禅について学んでいきます。1967年に日本伝統工芸展に初入選し、以降様々な賞に入賞、その功績が認められ2007年に自身も重要無形文化財(人間国宝)に認定されました。パリで学んだデザイン力を幾何学模様と組み合わせることにより、森口邦彦ならではの大胆な作品が人気を博しています。


「稲垣稔次郎」

稲垣稔次郎とは、京都府京都市出身の型絵染の染織家です。 1922年の京都市立美術工芸学校図案科を卒業後、就職をするが1931年に退職し芸術家である父の影響により芸術の道に進み染色工芸を研究に励みます。1950年には現在の京都市立芸術大学で講師を、第15回国画会展に出品し以降様々な賞を受賞しその後は日展審査員を始め日本工芸会理事や型絵染の重要無形文化財である人間国宝に認定されました。


「北村武資」

北村武資とは、京都府京都市出身の染織家です。父親を早くに亡くし、中学卒業後から遠戚が務め先に見習いで働き始めるのをきっかけに織物の世界に入りました。独立後の1965年に日本伝統工芸染織展に初入選し以降も様々な賞を受賞します。1972年に中国で発見された古代織「羅」に出会い、資料や写真を見て独学で復元に取り組みました。1995年に「羅」の重要無形文化財保持者に、2000年には同じ織り方でしっかりと密度がある「経錦」の技法にて重要無形文化財に指定されました。重要無形文化財認定後も旭日中綬章を受賞、2004年から2017年にわたり5回も個展開催しました。


「深見重助」

深見重助とは、京都府京都市出身の工芸家です。組紐だけでなく植物染の研究にも力を入れていたため、色彩そして品が良いといわれ、伊勢神宮などでも収められています。300本もの細い糸を帯状に編み上げる「唐組」で1956年に重要無形文化財に認定されました。


「福田喜重」

福田喜重とは、京都府京都市出身の刺繍工芸家です。15歳のころから刺繍家である父、福田喜三郎に刺繍を学び厳しい指導のゆえに、本格的な伝統技法を習得しました。一針一針丁寧に差し込み刺繍をしていくのでとても根気がいる作業です。福田喜重の作品は2万色以上ある刺繍糸から組み合わせを考え作成しながら、マッチする糸の組み合わせを発見し作り上げています。絶妙なグラデーション、細かく繊細な作業によって作り出され平面性を感じさせず流動的な表現が、他の人には真似できないようなデザインも人気の一つです。 第23回日本伝統工芸展に初入選、以降も色々な賞に入選や受賞を獲得し平成9年に、刺繍部門初の重要無形文化財保持者に認定されました。作品展も4回もを開催するほど人気の作家さんです。

・京都府の着物の歴史は？
京都府の着物の歴史は、平安時代に遡ります。この時期、貴族たちは「十二単」と呼ばれる豪華な衣装を着用し、着物文化が花開きました。平安京に都が置かれ、朝廷では絹織物が生産され、織部司という役職が設けられました。 室町時代には、武士文化が影響を与え、小袖が普及し、江戸時代には町人文化が発展し、友禅染や絞り染めなどの技術が確立されました。特に西陣織は、京都の重要な織物産地として知られ、今日の着物文化に大きな影響を与えています。京都は日本の着物文化の中心地として、長い歴史を持っています。

・京都府の着物文化の特色は？
京都府の着物文化の特色は、特に「西陣織」と「京友禅」に見られます。西陣織は、細かい織り模様と豪華なデザインが特徴で、帯や着物の生地として高く評価されています。この技術は、室町時代に発展し、現在も多くの職人によって受け継がれています。 京友禅は、色彩豊かな染色技術で、特に華やかな模様が特徴です。これらの技術は、長い歴史を経て現代に受け継がれ、京都の祭りや行事でも重要な役割を果たしています。また、着物は観光客にも人気で、レンタル体験を通じてその魅力を体感することができます。

・京都府の着物の種類と用途は？
京都府の着物の種類には、「西陣織」「京友禅」「小袖」「振袖」などがあります。西陣織は、細かい織り模様と豪華なデザインが特徴で、主に帯や着物の生地として使用されます。特に高級な着物に用いられ、結婚式や成人式などの特別な場面で着用されます。 京友禅の訪問着などは、主に祝い事や祭りでの着用が一般的です。小袖や振袖は、日常着や特別な行事に応じて選ばれ、着物は茶道や舞踊などの文化行事でも重要な役割を果たし、京都の豊かな文化と伝統を反映しています。

・京都府に伝わる伝統的な織物と染色技法は？
京都府の伝統的な織物は、西陣の生地は先染をしてから織られているので後染めよりも丈夫かつシワになりにくく、一本の帯に50色以上を使うこともあります。デザインはシンプルなものから雅やかな彩りのものなで、他に類を見ない精妙さは日本を代表する絹織物の西陣織や京鹿の子絞、大きく分けて二つの技法がある京友禅。
型紙と色糊を用いて染める型友禅と、型紙を使わずに刷毛や筆で色を挿して染め上げる手描き友禅があります。金や銀の糸・金箔や使用する色が多くとても色鮮やかで、外側にいくにかけて薄くなっていくぼかしが入っていることが特徴的なのが京友禅です。
京友禅作家では、松井青々さん、羽田登喜男さん、藤井寛さんが有名です。

・京都府の祭りや行事の着物との関わりは？
京都では年間を通じて多くの祭りが開催されます。祇園祭や時代祭など、これらの祭りでは伝統的な衣装が重要な役割を果たします。
特に、祇園祭では、豪華絢爛な着物が人々の目を引き、その美しさと華やかさが広く知られています。祭りを通じて、着物の文化が現代にも生き続けています。葵祭や時代祭でも、参加者は伝統的な衣装を身にまとい、歴史的な行列を再現します。
さらに、茶道の行事や初詣、成人式など、京都の伝統的な着物文化は今も受け継がれています。

・京都府の観光や着物体験は？
「京都きものパスポート」京都のまちに着物姿の方を増やして和装産業を盛り上げることを目的とした取り組みです。着物を着て、京都きものパスポートを呈示すると各地の特典協力施設・店舗で特典が受けられます。
着物レンタルを通じて観光を楽しむ体験も人気です。特に清水寺や嵐山、祇園では、観光客向けの着物レンタルが充実し、気軽に和装を楽しめます。多くのレンタルショップがあり、観光名所を着物姿で散策することができます。例えば、京都駅周辺や祇園エリアでは、手軽に着物をレンタルでき、着付けやヘアセットも含まれたプランが提供されています。